蝸牛の歩み

蝸牛の如く,ゆっくりでも着実に前へ・・・

星空観望会

星空観望会だったが、夕方から雲が広がってプラネタリウムでの解説になった。晴れてきたら実際の星空観望に切り替えられるよう、一部スタッフは外に残ったが、結局晴れることはなかった。それでも雲の切れ間から天王星が見えたそうな。プラネタリウム内にいても役に立たなかったし、外に残れば良かったかな。
反省会にて、いいニュースが聞けた。観望会会場のすぐそばにパチンコ屋があって、いつもその電光看板がまぶしいのだ。しかし、今回から交渉の結果、観望会のときは消してくれるという。理解のあるパチンコ屋に感謝。

出前授業

午前中は来年度予算のヒアリング。

午後、中学校へ出前授業。といっても、先生が授業をされて、最後に少しコメントをする、というもの。テーマは「干潟のヘドロをどうすべきか」。ここでいう「ヘドロ」は泥干潟の泥が嫌気的な状態になり、色が真っ黒になった状態のもののこと。中学生たちは「ゴカイを放したら有機物を食べてくれるし、巣穴から酸素が送り込まれてヘドロがなくなる」「そんなことをしたら生態系のバランスが崩れる」などとディベート。いやー、コメントが難しかった。

コウガイビル

蝸牛を探していると、コウガイビルが見つかることがある。蝸牛の天敵ということもあって、ちょっと気になる存在である。しかし、いい図鑑がなく*1、ネット上にもあまり情報がなくて、種類がわからなかった。
ところが、今回ググっていたら面白いページが見つかった。コウガイビルを飼育されているという方のブログ。
http://sirotanmura2.blog97.fc2.com/blog-category-10.html
そこから、論文等の情報が掲載されたページへリンクが張られている。
Welcome to the planarian.net!
いくつか論文をダウンロード。Kawakatsu et al. (2005) *2の論文は、一覧表がついていて既知の全種が比較できるようになっている。また、上記ページNo.36 "An Electronic Reproduction of the Late Dr. T. Kaburaki’s Three Color Plates (略)"にはカラー図版が、No.40 "Bipaliid Land Planarians from Nagasaki Prefecture (略)"には、カラー写真が載っている。
これで手持ちの写真が同定できるかと思ったが、そう簡単じゃなかった。どれ1つも自信を持った同定ができない。もっと文献をあたる必要がありそうだ。



ヒルゲンドルフコウガイビル
背面の線条が1本のコウガイビルは数種いるが、比較的大型のものはヒルゲンドルフのみ(体長55〜80 mm)。耳葉の形も一致する。しかし、「体色が赤みを帯びる」という特徴が一致しないため、「?」つき。「http://blog.zaq.ne.jp/insect/article/247/」の「コウガイビル属の1種」に似ている。



Bipalium sp. ?
線条は中央に1本あるほか、両側に淡く2本ずつあるようなないような。これを5本とカウントすればワタリに近いが、やや太短い気がする。また、ワタリだと頭部から首にかけて濃色だが、これは違う。1本だとサイズ、耳葉形態等が一致するものがいない。



Bipalium sp. ?
線条はない。色が"greenish grey"あるいは"dark olive"で大型のものを一覧表から探すと B. glaucum がある。しかし、頭部の形態が異なるように思われる(こちらの方が耳葉が大きく発達している)。「‚Ý‚é‚©‚µ•P‚ÌŒfŽ¦”Â」の 00/07/25 23:29:17 の書き込みにある「緑のKGB」に似ている。



Diversibipalium sp. Nagasaki-5?
一覧にあるもののうち、背面のパターンが"pigmented"となっているのは D. sp. Nagasaki-5 (Kawakatsu et al, 2005)のみ。頭部形態は一致する。カラー図版とも似ているが、頭部の色は異なる。青森産の「かわんちゅ on Twitter: "なにコウガイビル?どなたかわかる方いらっしゃいますか?
http://t.co/Jg4ELAof"
」、「コウガイビルの一種 : 北のフィールドノート」、北海道産の「陸貝をめぐる生き物たち (4) コウガイビル類 : こんなものを見た」と同じものと思われる。これの撮影地は新潟県なので、北方系の別種かも?



クロイロコウガイビル or Novibipalium falsifuscatum
全体黒色のものは一般に“クロイロコウガイビル”と呼ばれているが、外見が非常によく似た Novibipalium falsifuscatum が存在する。区別するにはオスの生殖器を見ないといけない?

追記


ワタリコウガイビル
某植物園の温室から、やっと同定できるものが見つかった。5本の線条があるが、中央の線条ははっきりしており、その両脇にある線条はぼやけていて太いのが特徴のようだ。また首の部分が濃色になる。

断水

標本の処理をしようと思って休日出勤した。ところが水道の水がちょろちょろしか出ない。どうやら休園に合わせて水道の工事か何かをしているらしい。水圧を利用して肉抜きをするので、ちょろちょろの水では肉抜きができない。
結局、園内でチョウの写真を撮ったり、ネットで調べ物をしたり。しかし、CiNiiが止まっているので文献が手に入らない。