蝸牛の歩み

蝸牛の如く,ゆっくりでも着実に前へ・・・

加藤真著「生命は細部に宿りたまう―ミクロハビタットの小宇宙」

ヨメサンに家にある本を頼んだら持って来てくれた本。

生命は細部に宿りたまう――ミクロハビタットの小宇宙

生命は細部に宿りたまう――ミクロハビタットの小宇宙

読了してたけど、日記に書き忘れていた。本書では、日本各地のミクロハビタット―入江の波打ち際、レキ浜、水の滴る崖、etc.―と、そこに生きる多様な生物が美しい写真と共に紹介されている。日本にはこんなに素晴らしい場所が残されていたのかと驚かされる。しかし一方で多くのミクロハビタット海砂採取、シカの食害、ダム建設などによって危機に瀕している、あるいは消滅してしまったと知ると暗澹たる気分になる。現在残っている貴重な生息地は是非とも保全してほしい。

カンムリウミスズメやスナメリの生息する瀬戸内海の最後の聖地に原子力発電所(上関原子力発電所)を建設したり(中略)というような、生物多様性ホットスポットでの大規模開発計画は、真っ先に白紙に戻すべきものである。
p.130

この点については、今回の福島での原子力発電所の事故を受け、山口県知事が上関原子力発電所の建設を中止するよう要請したというニュースがあった。暗いニュースの多い中、歓迎すべきニュースである。