蝸牛の歩み

蝸牛の如く,ゆっくりでも着実に前へ・・・

図鑑の解説の解釈に悩む

先月末,S川で乙女舞舞の類を採集した.今日になってやっと肉抜きし,ついでに解剖した.問題は同定である.陸貝図鑑の東図鑑は標本写真と生態写真が混ざっていて,生態写真しか載っていない種は形態がさっぱりわからない.解説を読んで,ようやく東乙女ではないかと当たりをつける.しかしこの解説がよくわからない.

〜螺塔は低く,臍孔が広く開く.また,褐色の近似種ひるげんどるふ舞舞に似るが,臍孔が狭く深い.
東, 1995

臍孔が広いのか狭いのかはっきりしてほしい.「臍孔が狭く深い」のは東乙女ではなくひるげんどるふ舞舞なのだろうか?
幸い記載は貝雑なので,ネットで手に入った.

臍孔はやや広く,〜.
附記:本種は円錐舞舞に比して,殻は大きく,螺塔は低く,臍孔が広く開いている点で容易に区別できる.また,伊吹山石灰岩地に産するひるげんどるふ舞舞は褐色の近似種であるが,やはり臍孔は狭く深い.
波部, 1964

これを見ると,「臍孔は狭く深い」のはひるげんどるふ舞舞のようだ.ただ「やはり」というのがわかりにくい.円錐舞舞も狭くて,ひるげんどふる舞舞も「やはり」狭いという意か.記載の英文を読むとはっきりわかる.

Remarks: (snip) Trishoplita hilgendorfi (Kobelt) from Ibuki limestone region has the shiny brown shell with a narrow umbilicus.

日本語でもこのくらい分かりやすく書いてほしいものよ.