カタツムリ・マイマイ・デンデンムシの語源に関する覚え書き
柳田国男の「蝸牛考」より。
- 作者: 柳田國男
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1980/05/16
- メディア: 文庫
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現在、陸産貝類のことを標準語ではカタツムリと呼ぶことが多いが、この本によると「東京の蝸牛は現在はマイマイツブロ、京都ではデンデンムシが標準語のごとく見られている」と書かれている。デンデンムシの方は文部省唱歌「かたつむり」の歌詞にも出てくるため、現在では全国的に通用する俗称となっていると思われるが、マイマイツブロというのは聞いたことがない。東京では使われているのだろうか?
では、本題のカタツムリ・マイマイ・デンデンムシの語源を、この本から拾い出してみる。
カタツムリ |
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マイマイ |
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デンデンムシ |
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補足1. マイマイの語源は「舞ひ」であるとする説が「ざつがく・ザツガク・雑学!」というウェブサイトにて紹介されている。
1.マイマイは「舞ひ」から来ているとする説。(廻いとする説も)
「梁塵秘抄(りょうじんひしょう:平安末期の歌謡集)」には、次のように載っています。
舞へ舞へ蝸牛(かたつぶり)、舞はぬものならば、馬の子や牛の子に蹴(くゑ)させてむ、踏み割らせてむ。
まことにうつくしく舞うたならば、華の園まであそばせむ
補足2. カタツムリのカタは干潟の「がた」、つまり陸という意味であるという説が「+α平塚市民情報誌」というウェブサイトにて紹介されている。
「かたつむり」の「かた」は干潟(ひがた)の「潟(がた)」のことです。「潟(がた)」は、潮が引いて干上がった土地の事ですから、〔陸:おか〕のいみがあります。「つむり」とは、「つぶり」または「つぶら」ということばがかわって、「つむり」になりました。「つむり」の「つむ」とは、「ツブ」のことで〔まき貝〕のことをいいます。