蝸牛の歩み

蝸牛の如く,ゆっくりでも着実に前へ・・・

コクリコ坂から

台風が近づいている中、映画館へ。空いているだろうと見込んでのことだが、目論見通りガラ空きだった。
ジブリの「コクリコ坂から」。宮崎駿監督のアニメに出てくるヒロインはみな魅力的だが、今回の吾朗監督の描く主人公もなかなか魅力的な女性だった。
ネタばれ注意ということで、「続きを読む」で。

  • 台詞を聞き逃しただけかもしれないけど、肝心なところが説明不足なのではという気がした。主人公の掲げる旗の意味、そして返礼とは何ぞや。国際信号旗は旗1つでA〜Zのアルファベット、1〜9の数字を表す。また旗には特定の意味があり、例えば「A」旗は自船が現在潜水作業中であることを表す(wikipedia:国際信号旗)。「Z旗を掲げる」という慣用句を知っていたので、この程度のことの知識はあったが、あまり一般的に知られているとは思えない。で、映画中に出てきたのは「U・W」旗は「御安航を祈る」という意味があるらしい。……「説明不足」と書いておいて何だが、こんなことを映画中で解説してたら説明臭くてかなわないな。
  • パンフレット等を見ながらこれを書いていて気付いたのだが、ポスター等で使われている画像ではペナントが「1」になっており、「1UW」と読める。「UW1」であれば「あなたの協力を感謝する。ご安航を祈る」という意味になるが*1、「1UW」では意味が通らない。Yahoo!知恵袋では「完全な間違い」との指摘がされている。なお、作中では「1」ではなく回答旗が用いられている。
  • 海のあだ名がなぜメルなのか。どうやらフランス語(La mer)らしい。俊が掲げた旗も「UWMER」と返礼のペナント。これを見て海は「誰か自分の名前を知っている人が、あのタグボートに乗っている」と驚くが、これも解説を読めば理解できるが、見ているときは完全に置いてけぼりだった。
  • ちなみにコクリコ(coquelicot)とはフランス語でヒナゲシ(ポピー)のこと。それでヒナゲシを活けてたのね。
  • ハッピーなシーンの後、コクリコ荘の扉をあけ「ただいま」という海の声のトーンに違和感を覚えた。何の心理描写?
  • 結局、なんで俊と澤村雄一郎は似てたんだっけ?偶然?というか観客に一時的に親子だと思い込ませるため?
  • カルチェラタン取り壊し反対運動。実は私の大学時代、サークルのボックス棟の建て替え問題というのがあって、私も総長との団体交渉なんてのに参加したことがあったので、妙な親近感。それはさておき、映画を見ているときは「君たちにはクラブ棟を建ててあげよう」という理事長の台詞に違和感を覚えたんだけど、あとで思い返すとあれってカルチェラタン住人じゃなくて、体育部に言ったんだよね?