ネットワーク不正使用について
理学研究科において,ネットワーク不正使用への対応についてルールを作るらしい.その案を見せてもらったのだが,どうにも窮屈な世の中になることよ.
ネットワークの不正使用とは
不正使用防止に対する基本方針
- ネットワーク管理に置いては*1,利用者の便や自由を最大限尊重する.
- ただし,不正使用に伴う膨大な損害賠償請求や社会的信用の失墜を防ぐ措置は,利用者の便や自由に優先する.
不正使用への対処
- (一部略)不正使用が行われているネットワーク単位に対する通信遮断措置を即座に行う
「他人を誹謗中傷するような発言」をするだけで不法行為だろうか?該当する法律は「名誉毀損罪」(刑法 230 条)だと思われるが,「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立する」のであって,メールやチャットを含むネットワークの利用にあてはめるのはおかしいのではないだろうか.
「ネットワーク上のデータを盗聴する行為」は,ネットワーク障害の原因を特定するために実施する場合がある.これも不法行為だと言うのだろうか?
「不法な交換による著作権侵害」というが,交換しなくても一方的にアップロードするだけで頒布権の侵害です(屁理屈?).逆にダウンロードするだけなら著作権違反に問われないといわれています(複製権の侵害とする意見もあります:ナップスター事件とファイルローグ事件の比較).
「営利活動」はどこからを言うのだろう?バナー広告やシェアウェアの販売はNGとしても,例えば著書をウェブページで紹介しているが,これは許されるのだろうか?
「教育・研究等との関連性を著しく逸脱するような利用」……一番いやな感じ.今までは大学でasahi.comを見ようがエロサイトを見ようが自由だったが,これができなくなるというわけだ.アダルトサイト:勤務中に閲覧、中学校校長を処分などというニュースがあったが,勤務(授業)時間中だろうと時間外だろうと関係なく,大学のネットワークを私用に使用すること自体がダメ.自分はhttp://japan.internet.com/research/20010523/1.htmlの「福利厚生のために認めてもよいのでは」というのに賛成だ.仮に私用のためのネットワークの使用が帯域を圧迫し,研究活動に支障をきたすようであれば制限されるべきだとは思うが,現状ではそこまでないと思うので,制限しなくてもよいのではなかろうか.
これを厳密に運用すると,一人が私用メールを送っただけで教室全体あるいは建物全体のネットワークが遮断されることになる.厳しすぎやしないか?
このようなログが必要になるというのはわかるのだが,実現可能なんだろうか.不勉強なものでよくわからない.例えば,AirMacで自動的にIPアドレスをわりふっているが,そのログは保管されているのだろうか?あるいは,KUINS-IIにあるサーバーでKUINS-IIIや学外から通信のMACアドレスを記録できるのだろうか?それともサーバーは気にしなくてよくて,ルーターで全通信のログをとろうという話なんだろうか?