蝸牛の歩み

蝸牛の如く,ゆっくりでも着実に前へ・・・

multidivtime

Bayes法を使って分岐年代推定を行うことができるmultidivtimeで計算をさせた.このソフトによる解析を行うには,日本語だと井上潤さんのmultidistributeの使い方が,英語ではBayesian molecular dating using PAML/multidivtime(pdf)がとても参考になる.しかし,いくつかつまずいた点があるのでメモとして残しておきたい.なお,先頭の数字は「multidistributeの使い方」の手順の番号に対応している.

  • 1.5: Phylip形式のシーケンスファイルを用意するときは,PAUP*で出力したものはそのままでは使えない.OTU名と配列の間にはスペースを2文字あける必要がある(「Bayesian molecular dating using PAML/multidivtime」のAppendixを参照).
  • 1.6: treeファイルではOUT名に含まれる'_'(アンダースコア)が' '(スペース)に変換されている場合がある.シーケンスファイルとtreeファイルで名前が一致しないトラブルが発生した.
  • 1.6: TreeViewで系統樹として表示されるかを確認する際には,TreeView XではなくTreeView*1を使う.TreeViewだと大丈夫なのに,TreeViewXではエラーになる場合がある.
  • 6: multidivtime numbersを実行したときに,"Segmentation fault (core dumped)"で落ちた.ソースを見たら,
#define MAXNODE 200

となっていたが,自分のデータでは系統樹のノードが200を越えていた.このためMAXNODEを300に増やしたら動いた(あとで「Bayesian molecular dating using PAML/multidivtime」のFAQを見たらちゃんと書いてあった).

  • 6: 「multidistributeの使い方」ではmulticntrl.datの設定方法についてさらっと流しているが,「Bayesian molecular dating using PAML/multidivtime」をよく読んで設定する必要がある.
  • Bayesian molecular dating using PAML/multidivtimeに書いてある所要時間はあてにならない.自分のデータでは10倍くらいかかった.最も時間がかかるmultidivtimeは,Pentium4の2.4GHzで約47時間を要した.

*1:http://taxonomy.zoology.gla.ac.uk/rod/treeview.htmlだが,広告がポップアップしてそれを閉じてもまたポップアップして鬱陶しいのでリンクはしません