蝸牛の歩み

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MLの著作権とは何ぞや?

ev○lveに流れていたメールだが,長文の割に何が言いたいのかさっぱりわからなかった.すでにリストオーナーが対応しているのでMLには返さないが,ちょっと考えてみた.MLに入ってない人にはほとんど意味不明な内容で申し訳なし.
彼の主張は「MLにおける著作権の問題は重要である」という点にあるらしいのだが,その問題とやらが何なのかが一切書かれていないのだ.考えられる問題点を列挙してみる.

  • MLの著作権(ML全体としての著作権)が存在するか?
    • MLのアーカイブ著作権法上の「データベースの著作物」には該当しないのではないか.データベースは「論文、数値、図形その他の情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索ができるように体系的に構成したもの」(著作権法第1条1項10号の3)と定義されている.しかし,「データベースでその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものは、著作物として保護する」(著作権法第12条の2第1項)と定められているが,MLのアーカイブは単なるデータの集合であり創造性があるとは考えにくいため,著作物として扱われないと考えられる.
    • 言うまでもないが編集しているわけではないので「編集著作物」にも該当しない.
    • 仮にリストオーナーが著作権を有するとしても,“「責任を持つ」義務が生じ”るという議論は飛躍している.著作権はあくまで著作権者が有する権利であって,彼が言うような義務が発生するわけではない.
  • MLに投稿された文書の著作権は誰にあるか?
    • 個々のMLごとに決められるものだと思われるが,当該MLではリストオーナーが「個人に帰する」と回答している.
  • MLへの著作物転載・引用
    • 2005/8/28ごろに議論あり
    • 転載は著作権者が「転載自由」を宣言していない限り,著作権者の許可が必要.
    • 著作権法32条の範囲内での引用は問題ない.

参考:エクレシアMLのプライバシー保護・著作権等ガイドライン

彼は以前も著作権についてごちゃごちゃ書いていたが…….下手に批判的なことを書いて誹謗中傷だの名誉毀損だのと言われてもつまらないのでこれ以上は書かないが,何だかなぁと思うところである.