蝸牛の歩み

蝸牛の如く,ゆっくりでも着実に前へ・・・

ナメクジ本

今年になってナメクジに関する本が二冊も出た。実にすばらしい。ナメクジブームの到来か!?

ゲッチョ先生のナメクジ探検記

ゲッチョ先生のナメクジ探検記

ゲッチョ先生の筆にかかれば、ナメクジの魅力が読者に伝わること間違いなし。これで日本にナメクジファンが何人増えたことか。
発行が4月で、出てから割とすぐに読んだのだが、日記に書くのを忘れていた。実は、読んだ内容も既に忘れてしまっている。そこで、ページに折り目がついているところを拾ってみると……

  • p28: タコ・以下の仲間→タコ・イカの仲間の誤植ですね
  • p72: このナメクジたちも『原色日本陸産貝類図鑑』には紹介されていない。イボイボナメクジが新種記載されたのは、この図鑑の発行後の1989年のことだからだ→『原色日本陸産貝類図鑑』は1995年に改訂増補版が出ているし、手元にないから確認できないけどヤンバルとかイボイボも載ってたような気が。→載ってなかった。大変失礼をば。
  • p125: なんで折り目をつけたのか思い出せないけど、たぶんイボイボをに種類とも見ることができるが誤植ということか。
  • p169: これも思い出せないけど、「おぉ、後輩の研究が!」と思って印をつけたのかなぁ。ただ、ヘビの糞の中から消化されていない歯舌を取り出し、どんなカタツムリを食べていたか、判定できるというのは、歯舌じゃなくて顎板じゃないかな。→歯舌で間違ってないとのこと、コメント欄参照。
  • p174: アフリカマイマイと同じように、広東住血線虫の幼虫を宿していた陸貝には野外で調べた例ではアシヒダナメクジがあるという。ということだが、沖縄でのきちんとした報告があったはず。記憶ではヒラコウラベッコウへの寄生が結構あったような。
  • p228: 乾燥ナメクジの戻し方。へぇへぇへぇ。
  • p234: たぶんニヨリという名前を初めて聞いたから、かな?「外来種ハンドブック」も要チェック。

それにしても、ゲッチョ先生の探求心はすごい。琉球列島は本土に比べてイボイボ系が多いとはいえ、ここまでイボイボを究めるとは……。これを読むと、本職が負けてちゃいけない、という気分になる。

ナメクジ―おもしろ生態とかしこい防ぎ方

ナメクジ―おもしろ生態とかしこい防ぎ方

意外と知られていないナメクジの生態に関する本。といっても、学会で聞いたりしたのか「どこかで聞いたような」という話が多かった。ナメクジと書いてあるが、実際はチャコウラの話である。
一つ気になったのは、p17の写真。一番上はヤマナメっぽく見えるんだけど、本当にナメクジなのかなぁ。まあ専門家が間違うことはないと思うんだけど……。でも紹介するならもっと典型的なナメクジを持ってきたらいいのに。

あとは、個人的要望として、解剖図がほしかった。殻があるやつは図鑑などにも解剖図が載ってるし、解剖し慣れているんだけど、ナメクジのは図鑑に載ってないし、開けても何だかよくわからなかったりするんだよね……。