自然再生ハンドブック
鞄の中に入れて持ち歩いていた、日本生態学会編「自然再生ハンドブック」読了。
- 作者: 矢原徹一,竹門康弘,松田裕之,西廣淳,日本生態学会
- 出版社/メーカー: 地人書館
- 発売日: 2010/12
- メディア: 単行本
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学芸員という立場上、今後自然再生事業に関わる可能性があり、また協議会委員になる可能性もなきにしもあらずであるため、大変勉強になった。
本市でも湿原の遷移を止める事業が行われている。自分は全く関わっていないので詳しいことは知らないが、確か協議会は設置されていなかったように思うし、順応的管理が的確にされているか(科学的予測、目標値の設定、モニタリングなど)疑問な部分がある。一度、調査報告書を読んでみよう。
ちょっと気になった記述がある。
健全な生態系の機能は、自然の過程で発揮されるものであり、多くの人工干潟のように半永久的な土木工事によってしか維持されないような機能の回復方法は、必ずしも適切な自然再生と言えない。
p.245
これについては「広域対応・全国的な対応が必要とされる課題」において、解説されている。
これまでの人工干潟のほとんどが、常に人為的に砂を投入し続けなければ維持できない「偽干潟」でした。
具体的な事例も挙げられておらず、引用もないのでどこまで本当かわからない。これが本当だとしても、このコラムで言うように
海岸の砂浜や干潟を再生するためには、流域全体の流砂系の正常な働きと運搬・流動を保証しなければなりません。
というのは理想論であって、現実的には「土砂供給を妨げているダムをなくせ」というのは無理じゃないかな〜