バインズ病
寄贈された貝類コレクションの整理をしていると、採集から数十年を経過し、貝殻の表面が「バインズ病」に侵されている標本がちらほらある。貝殻標本というと、長期保存しても劣化しなそうに思えるかもしれないが、木や紙から発生する酸性の蒸気によって貝殻の成分である炭酸カルシウムと化学反応を起こし、表面が浸食されることがあるのだ。殻の表面が白く覆われてしまっていたので水洗いしたのだが、生兵法で悪化させてもいけないので、文献を確認。
調べてみると、とりあえず水で洗って乾燥させるしかないみたい。ただ、アルコールは使っちゃだめとのこと(何で?)。あと、保管時にプラスチックを避けるようにとのこと(えー、思い切り使ってますけど)。ラベルをラミネートするのもダメらしい。
残念なことにバインズ病に関する日本語の情報はネット上にほとんど見あたらない。貝類学会で過去に発表されているが、発表要旨には「対処方法および悪化防止策を紹介する」としか書かれていない。そこで、英語の情報をもとにはてなキーワードに解説を書いてみた(keyword:バインズ病)。全訳しているわけじゃないのであしからず。